間抜け面を求めて

 俺はどうしようもない間抜け野郎だ。なぜなら、間抜けだから苛々してしまうし、その他の間抜け野郎どもに苛々させられているにきまっているからだ。俺がまともな知能と知性、容貌を兼ね備えた人間であったなら、きっとこんな思いはしていないはずじゃないか、違うか?


 台所の蓋つきゴミ箱の袋を取り出す時に嗅ぐ、あの最低な悪臭を思い起こさせる陰気臭い顔顔顔。

 みんな、なんだかんだで自分の身の丈ってものがわかっていて、たまらなく不幸で惨めで仕方ないって面して、今、まさに恥の上塗りをしているのだということを自覚しながら、毎秒毎に呼吸をし右手と左手でクソつまらない動作を繰り返す。アホみたいに。ケツを拭くことも忘れて。