完全に限界な感じ

  折り合いをつけて何かに対して納得したり、仕方ないと諦めて妥協をしたりすることが昔から苦手だった。だから子供の頃は不満だらけで、何かはっきりとした理由がある時もそうでない時も腹を立てていたような気がする。そんな記憶も大人になってから作られたものかもしれないけど。

  いつからか自分はどうしようもなくわがままな人間で、だから不満まみれなのだろうと思うようになった。優しくしてくれる人達にはもっと優しくしてもらいたい。何故だか自分を愛してくれる人にはもっと激しく愛してもらいたい。みんなが永遠に自分だけを尊重していて欲しい。したくないことはしたくないし、嫌になったら即座に辞めたい。苦手なものからは離れたいし好きな人やものには溺れる程に囲まれていたい。物資的な事なら人よりも我慢が効く方だと思う。貧乏も耐えられるし、欲しい物だって我慢できる。だけど、数字で表せない、自分の中でだけ測れるようなものやことになると途端に歯止めが効かなくなる。勿論、それを口に出したりすることはないけど、いつも胸が苦しくて、ふと我に帰った時に辛くてたまらない。

  若い頃は、きっとこんな気分になるのは今のうちだけで大人になったらもっと自分と上手く付き合っていけたり、開き直って楽に生きられるようになるのだと思っていた。まさかこんなにも自分が自身の人生や生活の足を引っ張り続けるなんて思いもよらなかった。

  もしかしたら、今の自分の生活やここ数年の出来事や環境、まぁとにかくなんだかさっぱり上手くいってないからこういう風な思考になっているだけで、少し色々と上向いてきたら、今みたいな悩みは気にならなくなるのかもしれない。でも、またここに立ち返ってしまうのだろうなという予感がする。

  この前、自転車で遊歩道のようなところを走っていた時に太い木の根っこにタイヤを取られて派手に転んでしまった。傷口から血が出ているか確認しながら、いつ以来のことか考えてみたけど思い出せなかった。