さようなら、やる気。最初からいなかった。

 相変わらずクソ暑い毎日だけど段々と日が落ちるのが早くなってきた。夜に自転車で土手を通って帰宅していると無灯火の狂った男子高校生の集団が右側通行で毎日のように突っ込んできて死にそうになる。スマホシャカシャカ鳴らして音楽流してないでライト点けてくれ。スマホのでいいから。まぁ、自分が高校生くらいのときは世の中が今程交通マナーに五月蝿くなかったし、自分自身もクソみたいなチャリの運転しまくってたから人のこと言えんのだけども。みんなイヤホンつけてたし。呪詛の言葉を吐きそうになることに変わりはないけど。こういう風に若い人間に厳しくなっていって身も心も老いていくのだろうかと思うとうんざりする。段々とさきに書いたような高校生達に共通する外見的特徴みたいなものを探すようになりそうで怖い。そのうち特定の世代の悪口とか言うようになるんかな。可愛い女の子のはらわたにも(大抵の場合は)クソが詰まってるのは周知の事実だけど、クソの有無でその人の魅力が増減したりはしないだろ、最悪だ、なにもまとまらない。

 

 昔、子供に異常なくらい偉そうに振る舞う大人が大嫌いだった。そいつらと上手く上下関係作って、うんこさんは厳しいけど良い人だとか言う子供も本当にうんざりだった。子供の頃に上手くやっていけた大人は親も含めて皆無で、その時々で優しくしてくれる人はいたけど、そういう奴はよく堤防にいる魚から釣り針を外し餌をつけてくれるおっさんだったりして自分の学校生活やらには全く関係がなかった。俺は子供の頃から致命的に世渡りが下手だった。ユーモアのセンスでさえずれているのも自覚していた。一人だけ俺の事を面白いと絶賛してくれる女の子がいたけど、その子は異常に太っていた。俺も健康診断では毎回軽肥満だと言われた。まじで子供を太らせる親は罰せられるべきだと思う。

 

 他にも多分色んな理由があったんだと思うけど、そんな感じで子供の頃にはもうやる気の減退が著しかった。好きなことやしたいことは色々あったけど、学校でやらされることに文句を言いながらもなんだかんだで夢中になれたり、とりあえずそれなりにやっておこうとする奴らの気持ちが全く理解できなかった。なんだかんだ周りに友達はいたが、友達たちとは学校への温度感が共有できるわけではなく、学校に通うのがうんざりだし学校が嫌いだとしょちゅう愚痴っていたら、でも学校がなかったら俺ら友達になってないんだよみたいなことを言わせてしまう有り様だった。

 

 そうして、大人になった今だけどやる気のなさは勿論相変わらずだ。子供の頃、学校をほっぽりだして早く叶えたかったいくつかの夢は、一つも叶わなかった。面白いと言われる機会は増えたが、面白いと言われるよりもむしろ当たり障りのない普通ぽい人間になりたいーまたは振る舞いたいー今の自分にはその言葉が鬱陶しくて仕方ない。しかも、たぶん段々と心を病んでいっている。むしろ、子供の頃から少しずつ病んでいっている気がする。親兄弟との関係は年々悪化し、俺対その他みたいな感じで完全に崩壊しているのに親からやたらフレンドリーな感じで連絡が来てマジで悪寒がしてずっと無視してる。縁切るっていいだしたのどっちだよ。おまけに肘や膝が痛い、耳と頭と肩もたまに。一年位休養をとりたいけど、金はないし実家には帰れねぇ。煙草はやめられない。コーヒーも、だから息は臭い。落ちこぼれ人間のステレオタイプみたいな状況だとわかってはいるし、今から頑張ればもう少しなんとかなるのはわかっている、少し頑張ればバキュームカーが来て俺のうんこをすいだしてくれる気がする、しかしどうにもやる気がない。