私の都会

 大嫌いだった故郷を離れて、もうすぐで六年になる。自然と景色と一部の友達と家族以外はだいっきらいだった故郷ー、そこを出て、都会へゆくのは長年の憧れだったし、理由はどうであれ、故郷の多くの若者の夢でもあったと思う。

 だけど、最初から都会に行くことでなにかが変わるわけじゃないのはわかっていたし、目標がない人が行っても生きてゆけないようなtころだと思っていた(後者は別にそんなこともなかった、どこにだって生活はあるのだから)。

 

 都会へ行ったら、女の子をたぶらかしまくろうと思っていたけど、移住して一年目に付き合った人と何年も一緒にいたりして全然だったし(そして捨てられた)、今は少し歳をとって、そもそも私自信が女遊びとかそういいうの向いてないんだろうなぁと思うようになった。あと挫折もしたり、都会に住んだら買い物を一杯しようとおもったけどそれもしなかった。何もかもが当初思い描いていた生活や生き方とはかけ離れてしまったけど、昨日は消えないし、明日はやってくるし、おまけに生活していかなきゃいけないけど、なんとか生活もできてる。

 なにも変わらなかったけれど、都会の厳しさみたいなものも、田舎者が思うほどのものではなかった。

 むしろ、本当にどこに行ったってなにも変わらないんだって、そう思った、確信した。友達がいて、恋人がいるときもあって、悩んだり、しなければいけないことをして、感情の起伏があって、たまに遊んだり買い物に行ったり、人とわかりあった気になったり、どうでもいいことで感動したり、死にたくなったりする、やってることは全然変わらない、あとはほんの些細な違いだけだと思う、店が多いとか。

 

 だけど、ここ二年くらいの間に何度か、実家に帰ろう実家思ったり、一度だけ試みたことがあったけど全部計画倒れになるか、頓挫した。そのどちらも、帰れない事情ができたり、またはなんとなくどうでもよくなったりしてやめてしまった。

 都会には妙な魅力があるけど、故郷は大嫌いだし、だけど、別に都会だって好きなわけじゃない。故郷の友達と会うたびに帰った方が楽しそうな気さえするけど、やっぱり故郷は嫌い、都会も嫌い、みーんな気にいらないのだ、結局、私には。

 

 都会にでて、唯一わかったといえることは、それだけかも知れない、自分はどうしようもない偏屈者で、くそいまいましいドブガキみたいな駄々っ子で、なにもかも気に入らない。わかったのはそれだけだ。

 

 今日もみんな不快そうな表情を浮かべて、クソみみっちい鉄の塊に乗って、降りて、乗って、降りて、乗って、降りて、新宿は歩くだけでいらいらするしたまに臭くて、渋谷もいらいらするし暗渠があるからか新宿よりもくさくって、地元のドンキで遊ぶのに飽きた埼玉県民が池袋にやってる。本当によくない環境だと思う、だけど私にはここに居る以外に選択肢がないという実感がある、矛盾しているのはわかっているけど、それでも故郷は嫌いだ、都会よりもずっと。

 

 満員電車に乗っているとき、<もう少し人が減ったらマンションを買おう、そのために頑張ろう、だけど人が減ったら景気が悪くなるだろうし、いつ買うのが正解なのかー防音室とかミストサウナがあると素敵だよなーとにかく貯金しなくちゃ>といった妄想をして気をそらすのだけど、そこで幸せな生活をおくれるかなんてわからないじゃないか、と思ったところでいつも駅について、お昼ご飯を買っていくべきか、たばこは足りているか、コンビニによるべきか、といったことに意識がいってしまって答えはでないままだ、そして、今はそんなことを考えたくない。

 

夢ひよこ

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叱られて/鮫島有美子 - YouTube