クソの腸詰爆弾

 最近になって気づいたことがある。それは、用もないのにいきなり話しかけてくる全く知らん人間は大体面倒で、一言二言話した時点で仲良くなれそうにないなと感じることだ。そういう奴らは大体気さくなオーラをみにまとっていてタメ口で、その会話のとっかかりはこちらには強引に感じられるのだが何故か「また~しよう」などと言ってくる。ばったり会った友達ならむしろ嬉しいけど、俺はお前と違っていらんしがらみを増やしたくないし、人間がそんなに好きじゃないからほっといてくれって感じだ。愛らしい老人や綺麗な女、疎遠になっていた友達、やる気のない貧乏人に施しをしたくてたまらない気の狂った金持ちや猫あたりならいつでも歓迎なのだが、そういう機会はあまりないし、よくても老人か野良猫止まりだ。そしていつも立ち止まってしまう。みんなもっと俺の愛らしさ、ちょっと変わったユーモア、グランジを地でいく汚いファッション、ワイルドな無精ひげ、不器用で守ってあげたくなる感じ等々の魅力に気づくべきなんじゃないか?貢ぐかせめて楽な仕事を回してくれ。痴女って本当に存在するのか?どこに?

 昔、近所で釣りをしていた爺さんはハチャメチャに最高だった。話しかけたらそこそこ話してくれるが、余計な挨拶はしないし、話を長引かせたり、詮索してくることもない、勿論「今度~」なんて言わない。聞いてくるとといったら、今日は釣りをしないのか、最近よくいるねの二点のみで、何を釣るのか、仕掛けはなんなのかと聞いてもそういうことは人に話さないと決めているとしか言わないところが特に最高だった。うざがられていたのかもしれないが、俺は大好きだった。眠れない日はそういう最高で関わりの薄い人たちのことを考える。人類全員が優しい偏屈者になったらいいのにな。